第15回日本脳血管・認知症学会総会
会長 杉江 和馬
(奈良県立医科大学 脳神経内科学講座)
この度、第15回日本脳血管・認知症学会総会を開催させていただくことになりました。本学会はアルツハイマー病(AD)や血管性認知症は勿論のこと、レビー小体型認知症やパーキンソン病関連認知症、前頭側頭型認知症などの主たる認知症に関して「超高齢社会にあって注目されている血管と認知症の関係」について、従来分類にある血管性認知症という観点を超えた新しい幅広い視点から臨床的・基礎的研究を進めることを目的として設立されました。したがいまして学会を構成する先生方の御所属は、脳神経内科学、老年医学、循環器内科学、代謝学、薬理学、神経科学等と、非常に多岐にわたっているのが特徴で、年々総会への参加者も増加しています。
学会としてはこのユニークな背景から、これまで認知症発症と血管の機能的・器質的障害との深い関連に関する研究や、新規診断治療法の開発に寄与できる内容の議論を継承してきています。発信される多くの情報は総会で統合され、社会的かつ学術的要請に応える形で発展してきました。これから認知症に対する抗体医薬の登場により、まさに新時代に入ります。このため第15回大会では、「温故知新~脳血管から認知症の新時代を考える~」と題して、国のまほろばの地である奈良から認知症診療の原点を顧みながら、新時代における認知症診療のあり方を脳血管の視点から考えます。健康寿命の延伸を目標に更なる学術活動の推進を目指していきたいと存じますので、ぜひ多くの皆さまの奮ってのご参加を何卒よろしくお願い申し上げます。